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瀬川 > 昆陽




今ならば 弁慶通れぬ 鏡水

 弁慶の鏡水。
 「べ、弁慶の鏡水ってあるけど? 鏡水以前に、弁慶は、ここ、通れないんじゃない?」
 まぁ、当時、住宅はなかっただろうからね。「…ごとっとも。」



占った? 力で通す 弁慶が

 弁慶の鏡水。
 源平の戦いの一ノ谷の合戦へ赴く前に、弁慶が水面に自分の姿をうつし、戦況を占ったとか。
 「どんな占いだったのかな?」 水面にうつる自分の表情が、喜怒哀楽、どれに見えるとか? でもって、色々な表情してたら、村の子供達がたくさん集まってきて、みんなで大笑いしたとか? m(_ _)m。
 水面には、自分が、今、思っていることが、うつるとか? 横で見ていた義経が、おまえ、雑念多すぎ、って、言ったとか? m(_ _)m。「なんか、緊張感、無いね。」
 まぁ、真相は、現状の通り、藪の中だね。「雑草の中、ね。」



朝の日を 受けて膨らむ 社かな

 瀬川神社。
 「これはまた、すごいね。」 朝日を受けて、どんどん膨らんでいる、成長しているように見えるね。
 「夜明け前までは、鳥居よりも小さかったのに、夜明けと共に、ぐんぐん伸びた、って感じ。」 生命力に溢れている感があるね。
 いちばん手前に、大木の切り株がある。「これは、相当大きな御神木だったんだろうね。」 なんか、この樹の霊が、このように見せているのかなって思うね。
 「でも…。」 でも? 「日が暮れると、みんな縮むのかな?」 おいっ!



誰だっけ? 太い眉毛の お侍

 オレンジゆずるバス停。
 「ん〜っ? なんか、どこかで、見たような?? 誰だっけ???」 …うん! 箕面の滝に行く途中、駅前のベンチに座っていた子! そう、ゆずるくん、だね。
 「すごいね。バス停の看板に、デザイン要素として描かれているだけじゃなくて、路線バスの名前になっているんだね。活動範囲、広いね。」
 なんの、なんの、検索したら、原チャリのナンバープレートにもなっているようだね。「そこまでいく‼︎」



白いもの チラチラする日は 猟がたつ

 石橋商店街。
 赤い橋から来た道を、振り返ってみると…。「落語の道、って、あるね。寄席とかが、並んでいる通りなの?」
 さ〜、でも、池田で、落語と言えば…? 「池田の猪鍋‼︎」 池田の猪買い‼︎ 「m(_ _)m。」
 「そうかぁ、なるほど、池田の猪鍋では、大阪の丼池から、能勢街道を池田まで、猪肉を買いに来るんだっけ?」 猪買い、ね。「m(_ _)m。」
 「まぁ、途中、長々と続く道中の馬鹿げた話は、このてくてくの記事みたいだね。笑。」 し、失礼な…。



開店の 前から賑やか 商店街

 石橋商店街。
 いやぁ〜、この商店街、朝から賑やかだったよね。「そうだね。まだ、8時半、なってないけど。シャッター、全部閉まってるけど。人、いっぱいだし。写真撮れないし。同じ方向に歩いてるの、恥ずかしいくらいだったね。」
 「どこの女子中学校?」 さ〜。写真は、赤い橋時計塔。左は、通勤の自転車軍団。右が中学生たち。



千年も 先に住んでりゃ 日当たりも

 二子塚古墳。
 「後ろのマンション、日があたってないね。」 そうだね。でも、こちらは、千年以上まえから、あるんだから、文句も言えないんじゃない?
 「でも、古墳って、元々は、木とか植えてるわけじゃないでしょ。」 たしかに。一般的には、吹石を敷き詰めたりして、緑は無いね。
 「じゃ〜、最初の姿に、復元しましょう、と、言うことにしたら、伐採できるかも。」 いやいや、今や古墳の上には、お稲荷さんが祀られているから、古墳というより、鎮守の森ということで、無理だね。「なるへそ。」



隣組 助け合いなる 防空壕

 二子塚古墳。
 二子塚古墳には、石室が二つあったそうな。「それで、二子塚なのね。」
 ただ、一つは、埋没してしまっているらしい。「もうひとつは?」 もうひとつは、ちゃんと残っていて…。「残っていて?」
 戦争の時、隣組の防空壕として、使われていたそうな。「埋葬者も、心が広いね。」 というか、かつて勢力を張っていた地域の民を守るって感じ。「千年の時を超えて、共に戦っていたんだね。」



異国しも 源遠流長 故郷に

 水月公園 入口。
 「この門と、狛犬さんたちは、やっぱり、中華風?」 そのようだね。
 これらは、友好都市締結10周年を記念して、中国の蘇州市から贈られたもの。すでに設置後30年が経っているみたいだね。「…と、言うことは?」
 そう、この景色が故郷の原風景の一部になっている子供たちが、大人になり…。「さらに、その子供ができているかもしれないね。」
まさに、源遠流長、歴史の長く続いていく流れだね。


阿吽の 呼吸揃わず 見つめ合い

 水月公園 入口。
 「これは、中国の狛犬? 日本の神社にあるやつと、少し雰囲気が違うね。」
 これは、狛犬じゃなくて、獅子だね。「そうなんだ。」 両方とも、口を開けてるよね。「なるほど、阿吽の呼吸じゃなくて、阿、阿、の、呼吸?」
 中国の獅子が、飛鳥時代に日本に入ってきたようだけど、左っかわの、獅子が、口を閉じて、狛犬に変化したみたいだね。「なんで?」 さ〜。「おいっ!」
 よく理解できないけど、中国の人は、左右対称を好み、日本人は非対称を好むらしい。「するって〜と、日本人は、中国の獅子を受け入れてから数百年、なんか、落ち着かない…って、違和感を感じていたわけ?」そうかもね。笑。



朝散歩 挨拶ちらほら ご近所さん

 水月公園。
 「いいね。家の近くに、こう言うように、ちょっと散歩できる公園があるのは。」 そうだね。景気なんかも重要だけど、コミニケーションが入ると、雰囲気が、ガラリと変わる、良くなるよね。
 「もう、立派な池田市民だね。笑。」



丘の上 登ればそこは 支那蘇州

 水月公園 斉芳亭。
 「こ、ここは…?」 中国だね。池田市の友好都市、蘇州市から贈られたのが、あの池のほとりにある斎芳亭(せいほうてい)だそうな。
 「屋根の反りが、すごいね。いや〜、ホント、蘇州だね。」 大阪梅田から電車で17分、石橋駅から徒歩20分で、蘇州だよ。電車賃240円だよ。
 「でも、なんか、ちょっと違和感あるなぁ…。」 何? なに? 造形的に、何か、おかしい?「散歩に来ている人、結構いるけど、太極拳やってる人、誰もいないし。」 そっち‼︎



漢詩でも 詠まなきゃ次に 行けぬよな

 水月公園 斉芳亭。
 「漢詩、作って!」 無理‼︎「じゃ〜、何か知ってるやつ、詠んで。蘇州の景色で。」
 蘇州?、う〜ん…、月、落ち…、烏、啼いて…、霜、天に満つ。「なんか知らないけど、かっこいいね。漢詩って、日本語読みすると、いいね。でも、ひとつも風景に合ってないし、心情も逆だし。」…もう、限界! m(_ _)m。



愛宕さん 曲垣の殿でも ここはちと

 愛宕神社。
 「いや〜、これはまた、すごい参道だね。」 芸術的だね。お江戸の同じ愛宕神社の石段を、馬に乗ったまま上り下りした、曲垣平九郎の旦那でも、こりや〜、無理じゃない?
 「そうだね。」写真の階段は、途中で少し曲がっているけど、そこから先三分のニほどのぼると、小さな祠がある。馬で、のぼれても、向き変えられないかも?
 お年寄りが参拝するのは大変だろうけど、子供たちは、よろこぶだろうなぁ。



山門を くぐる前から 洗われて

 尊鉢厄神釈迦院。
 「脚下照顧…って?」 靴を綺麗に揃えて脱ぎましょう…かな。「足元を、見ましょう…ね。」 そこから…。「そこから?」
 足元、つまり、自分自身を見つめ直す。「なるほど。」 他人がどうかじゃなく、自分がどうなのか、反省し確認する。「なるほど、なるほど。」 でも…。「でも?」
 そう思うと、すぐに忘れちゃうから、やっぱり、靴を綺麗に揃えて脱ぎましょう、で、いいかな。
 
 はきものをそろえると 心もそろう
 心がそろうと はきものもそろう
 ぬぐときに そろえておくと
 はくときに 心がみだれない
 だれかが みだしておいたら
 だまってそろえて おいてあげよう
 そうすればきっと
 世界中の人たちの心も そろうでしょう
    (長野県円福寺 藤本幸那住職)



油断した 心に喝!が 風雷神

 尊鉢厄神釈迦院。
 「なんか、山門、少し変わってる?」 くぐる所に、大きな敷石。そして両側に、小窓みたいなものが、あるね。「中は、何があるの?」
 うわっ‼︎ こ、これは、風神さま‼︎ 「と言うことは…、もう一方は…。」 はい、雷神さま。「か、かわいそうな雷神さま。インパクトが格段に違ったね。」



足元を 見れば心を 見透かされ

 尊鉢厄神釈迦院。
 脚下照顧、実践して、足元に気をつけながら歩いていると…。「なんか、それ、違うんじゃない?」
 可愛らしいね。きれいだね。心が、洗われるね。「まぁ、それは、同感。」 おがんでおこう。



鉢を持ち 今も修行の 心にて

 尊鉢厄神釈迦院。
 「修行大師だね。」 右手に持っておられるのは、お決まりの金剛杖。左手は、托鉢の鉢。
 「そういえば、こちらは尊鉢厄神、この地域は鉢塚。鉢の字が、付いてるね。なんで?」
 お寺の縁起によると、神功皇后の三韓征伐のとき、新羅国王からの献上品に、お釈迦さまの鉄鉢があったそうな。「とんでもないものが、あるんだね。」
 帰国後、まだ仏教が伝来してなかったので、後の来るべき世のため、鉢を塚に埋めた。これが鉢塚。「地名だね。」
 時は下って、聖武天皇のとき、行基が夢告によって、この鉢を取り出して、帝に報告。ここに、お寺が創建された。「なるほど。鉢がキーワードなんだね。」



母親か 乳母か家臣か 里で根を

 一乗院 軍旗塚。
 「えっ? えっ? え? 落武者? 平家?」 いやいや、石田三成。「天下分け目の関ヶ原の戦いの、西軍の将! …なんとね。」
 関ヶ原の戦いの後、居城の佐和山城も落城するんだけども、この地に関係者の実家でもあったんだろうか、血筋の赤ん坊を軍旗に包んで、落ち延びたとか。
 「それは、伝説的な話?」 いやいや、この碑は、その末裔の方が建てたとか。それ以上に、近辺には、石田姓の方が、結構住んでおられるらしいよ。「あっ、ここへくる途中にも、表札、あったよね。なるほど…、実感として伝わってくるね。」



弔いに 仏と神が 降り積り

 五社神社。
 「仏と神?」 …と、言っても、神仏習合の時代なら、当たり前かな。先ほど行った、尊鉢厄神釈迦院の元のお寺である若王寺の、鎮守社として建てられたとのこと。
 その後、社殿の裏にあった古墳の石室内に、なんと、石造りの十三重の塔を建てて、密教の金剛界五仏を本地仏に、五社大明神としたそうな。
 「なんか、すごいね。絶大なパワーを持っているような気がしてきたけど?」 まぁ、でも、信長さんの戦に巻き込まれて、お寺も神社もすっかり焼けてしまっているけどね。「これまた、すごいね。信長さん。」



社より 猫の写真が 多くなり

 五社神社。
 「で、その古墳の石室内の十三重の塔は、拝めたの?」
 いや〜、それが…、猫くんがいて…。「ネコがいて?」 写真たくさん撮ったら、満足して…。「見るの、忘れたわけね。」 m(_ _)m。



国の主 見えるところが 摂津かな

 茶臼山古墳。
 「いや~、見晴らし、いいね。これは、どこを見ていることになるの?」 さ~。「おいっ!」
 よくわかんないけど、神戸の方向かな? 違うかな? 右端に見える山の稜線は、六甲山の東の端あたりだと思うので、正面は西宮あたりかもしれないね。
 「まぁ、雰囲気的には、今は大阪府と兵庫県に分れているけど、摂津の国一円が見渡せるのかなって感じだね。」 まさに、国の主ってところだね。



信仰や 学術でなく あかんやろ

 茶臼山古墳の後円部の外周の散策路。写真右が後円部。
 このあたりは、昭和30年代初めに開発が始まり、本当なら古墳は無くなる計画だったらしい。「そうなの?」
 ところが、地元の有志が集まり、古墳の保存運動を展開。日本住宅公団を動かし、区画事業計画を変更して、保存されることになったそうな。「よかったね。やっぱり、著名人や有名な学者さんが動いたの?」
 いやいや、学者や著名人を交えることなく、市民だけで自主的に行われたそうな。「へ~、時代的にも高度経済成長期に入る頃だから、保存よりも開発っていう意識の方が高そうな感じするけど、当時の人たち、えらいね。」 戦後の文化財保存運動としては、画期的なできごとだったそうな。



墓の主 起こさぬようにと 猫が行く

 茶臼山古墳。
 古墳の斜面の草むらを、さくら猫くんが行く。古墳の主に敬意を払っているかのように、静かに、ゆっくり、低姿勢で。「それ、きっと、雀か何かを狙っているだけでしょ!」
 えっ、なんで、分るの? 写真は、あと少しのところで、飛んでいった雀を、目で追う姿。このあと、こちらを振り返って、今、音たてたのは誰?って、にらまれることになる。「それは、それは。」



蜘蛛の巣の 向こうで踊る 狐さん

 九頭龍神社。
 むっちゃ大きな名前だね。「でも、お社は、小さいね。」
 階段を少し上った丘の上にあるけど…。「あるけど?」 蜘蛛の巣が、張っていて、引っかかってしまったね。ちょっと、嫌な気分。「それは、それは、寂しい感があるね。」お参りする人、少ないのかな。でも…。「でも?」
 よく見たら…。「よく見たら?」 狐さんたち、みんなして、踊ったているような?「…ホント‼︎ そう見える! 見える!」 逆転して、明るい気をもらえたね。



国鉄が 阪急ならば 街々も

 小林一三邸跡。
 小林一三さんと言えば、私鉄経営のモデルを独自に考え出し、展開した人だね。
 鉄道を中心に据えて、住宅地、百貨店、温泉、遊園地、野球場、学校等を効果的に配置。不動産事業、流通事業、観光事業を一体的に進めた手法は、他の鉄道会社にも大きな影響を与えた。
 「なんかでも、簡単そうな気がするんだけどね。」 うそ。難しいと思うよ。じゃぁ、一回、鉄道経営のシュミレーションゲームでも、やってみたら? 「それなら、やったことあるよ。桃太郎電鉄。」 あ、あれは、双六でしょ!



その時は 右の総理を 赤と呼び

 小林一三が蒐集した美術品を展示している逸翁美術館。
 小林一三さんが、戦前、近衛内閣の時に、商工大臣をやられているね。この時の次官は、後の岸信介総理。でも、この二人、犬猿の仲だったような。「へ〜、もったいないね。能力ある人が、打ち消し合い?」
 岸さん、この時は、革新的官僚の代表格で、小林さんからは、あいつはアカだと批判され、対立していたようだね。「すごいね。後に日米安保で左翼から攻撃を受けた岸さんが…、アカってね。そうだとしたら、小林さんは、どんだけ右だったの?」
 結局、二人とも、差し違える形で、共に辞任、辞職。凄まじいね。



街の名を 冠するお城は 路地の奥

 池田城。
 「池田城って、書いてあるね。」 池田城…って、あったんだね。ここまで歩いてる中では、それらしいものって、まったく見えなかったけど?
 池田城は、鎌倉と室町の間、建武の新政の頃に、土地の豪族池田氏によって、できたみたいだね。
 マンション横の小径をまっすぐに、入っていくと…。「入っていくと…。」



マンションの 脇から入れば 渓谷に

 池田城。
 橋が、架かっていて、なんと…。「渓谷だね。すごいね。」 閑静な住宅地から、いきなり起伏のある山の中? インパクト、あるね。
 池田城は、戦国時代にかけて、何度も落城し、そのたびに、拡張されたようだね。



展望台 池には鯉と 幼児は

 池田城。
 いいね。ここ。花あり、鯉あり、展望もよくって、子供連れには、ちょうどいい、お散歩コースだね。「近所に、こういう所、欲しいよね。」
 でも、あったら、毎日ここで散歩して、街道歩きはしてないかもね。笑。
 池田城の歴史は、荒木村重の反乱に対抗するために、織田信長が陣を置いたあたりが、最後みたいだね。
 今は、コスモスがさきみだれて、すっかり、憩いの空間だよね。



ゴジラより 大きいかもな 龍が行く

 池田城。
 「えっ? どこどこ?」 ほら、ビルの間を抜けて見えるでしょ。「…?」 胴しか、見えないけど、ウロコがあるでしょ。
 「あ〜、高速道路ね。こじつけ? そのように見ようと思えば、見えるけど。」 いやいや、そう見えるように、造られている。「…?」
 この辺池田と、川向こうの川西は、龍にまつわる話が、色々あるみたいだね。今いる五月山あたりには、龍がたくさんいたと、言われるそうな。「そうなの?」
 高速道路を建設する時、住民からの提案で、遮音壁に龍のウロコ模様が、つけられたようだね。付けられた区間は、断続的に、約1キロ。「確かに、ゴジラより大きいね。」



戦国の 武将なのかな 目鼻立ち

 池田城。
 「これは、誰? 戦国武将?」 う〜ん、豊臣秀吉! 「確かに、人懐っこいような、人たらしのような…。」
 う〜ん、明智光秀! 「確かに、信長をもってしても、とても裏切るような顔には見えないし…。」
 う〜ん、徳川家康! 「確かに、あらゆる困難を、なんとなく乗り切ってきたような顔…。」
 「で、いったい、誰なの?」 どうも、甲冑を着ているのは、お城の案内だからで、普段は、大黒さまの格好みたいだね。池田市のキャラクターで、ふくまる、くん。顔は、オーストリアから池田市の動物園にやってきたウォンバット。「外人さんだったの。」



陽を求め 春に誘われ 寺を出て

 陽春寺参道。
 「これまた、すごい大樹だね。」 枝葉が大きく境内の外の道にはみ出しているのは、よく見るけどね。「幹というか、木自体が、外に出てきてる?」
 いやぁ〜、迫力あるね。「ところで…。」 何?「お寺が、陽春寺なのは分かるけど、今、10月、秋だし。上のタイトル、おかしくない?」
 春に誘われ、寺を出て、秋になって、戻れなくなっているということ。「何? それ!」



守護神や 歴史の歪み 乗り越えて

 陽春寺 三光福寿尊天。
 陽春寺の守護神、三光福寿尊天。祀られているのは、赤、白、黒、三体の老翁の像だそうな。
 「あまり、他では、聞いたことないね。で、歴史の歪みって?」
 信長さんの時代、前田利家、羽柴秀吉、柴田勝家が、朝鮮征伐を命じられた。「…?」
 渡韓する前夜、三人とも、老翁が現れる夢を見たそうな。「…? …?」
 戦いが終わって、無事に帰国できたのは、夢で見た老翁のおかげだと、ありがたく思った。「…? …? …?」
 で、三人が同じ老翁の像をつくり、自身の守護神として祀ったそうな。それが、この三光福寿尊天。
 「あの〜、なんか学校で習った歴史と、少しばかり違うような…。」 また〜、授業中、寝てたんでしょ! 「そっち?」



夜遅く うるさいからと 和尚さま

 大広寺。
 大広寺。山門をくぐって、振り返ると…。「し、白い、龍だね。」 この龍には、伝説がある。「白龍伝説? なんか、かっこいいような、ワクワクするような。どんな、話?」
 この山門の龍は、夜ごと、山門を抜け出して、近くの弁天池に行ってたそうな。「ほ〜、ほ〜。」
 そして、池の水を、バシャバシャ音を立ててのんでいたとか。「それから、それから?」
 この音が、やかましくって眠れない和尚さんが、昼のうちに、龍の眼と体を白く塗りつぶして、山門から出られなくしたとのこと。
 「は〜。なんか、お寺で飼っている犬が、夜によく吠えるので…、っていうのと、同じような…。」 まぁっ、この辺りに住んでいた龍は、すごく身近な存在だったってことかな。「なに? それ!」



動物園 子供ずれに 女子高生

 五月山動物園。
 「動物園が、あるんだね。」 しかも、無料みたいだね。「市民以外も?」 そう。「池田弁、喋れないけど?」 何? それ?「いいね、池田市!」
 結構、人、いるね。小さい子供連れのお母さんたちは、分かるけど、女子校生が多いのは、なぜ?「さ〜。」平日の昼前だけど?「う〜ん、池田市のキャラクター目当て?」
 オーストラリアから来た…、なんだっけ?「ウォンバット、くん」



豪州から 帰化して街の 顔となり

 五月山動物園。
 確かに、ウォンバットくんの園舎には、人が集まっているね。「園舎からの出待ちだね。」スターだね。
 あっ、出てきたよ。う〜ん、なんか、コアラを、ひとまわり、ふたまわり、大きくしたような…。「障害物があっても気にせずに、ゆっくり、ズンズン突き進んで行く感じ。」
 いや〜、初めて見たね。「動物園に来るのも、何十年ぶり?」ここの動物園、適度な大きさで、くるっと一周したら、一通り見れるし、よかったね。



水の名も 緑彩なす 伊居太かな

 伊居太神社。
 「この神社、何て読むの? いいた、神社?」 いけだ、神社だよ。「そうなんだ。じゃ、池田の地名の元になってるみたいな?」
 そう、かなり古いようだね。「でも、池田のわりには、水辺じゃなくて、丘の上なんだね。」
 水の神様じゃなくて、衣類の神様というか、織姫さま、穴織媛(あやはとりのひめ)をお祀りしている。「織姫…、さま?」



四季の風 移ろいゆけども 服装は

 伊居太神社。
 むかし、昔、応神天皇の頃…。「…む、昔だね。」 中国の呉の国から、四人の縫工女…衣類を裁縫する人を、招来した。
 このうち、呉服媛(くれはとりのひめ)と、この神社の祭神、穴織媛の二人がこの地に住み、四季の服装や技術を広めた。
 「四季の服装? …ってことは、それまで、夏も冬も、同じ服装だったってこと?」 う〜ん、よく分からないけど、そうとも受け止められるね。
 「ということは…。」ということは? 「その当時の人たちは…。」人たちは? 「年中温暖で、暮らしやすかったんだね。」 そっちかいな。それなら、四季の服装、必要ないでしょ!



頼光の 松消し飛ばす 御神木

 伊居太神社。
 「この神社の境内には、源頼光が、大江山の鬼退治に際して、祈願のために手植えしたという木が…。」 これだね。
 すごいね。でかいね。山門をくぐった瞬間から、目が釘付けだね。下がっても、下がっても、カメラの枠に入らないね。いや〜、神々しい。「あの〜。」 何?「お手植えは、松だそうだよ。」 これじゃ、ない? 「そう。右の奥にある、切り株で屋根の付いたやつ。」 m(_ _)m。



気がつけば ステンドグラスが はまってて

 呉服神社。
 本殿…というか、拝殿? よくよく見ると、両サイドにステンドグラスが、はめてあるね。
 「すごいね。」何がすごいって、神社にあってるよね。教会で見るステンドグラスが、神社にって思うだけで、ミスマッチな感があるけど。「不思議だね。あってるね。」
 建物というか、柱とかが、朱色だからかな。「なるほど、そうかもね。」



話、合い 意気投合の 予感して

 呉服神社。
 いやぁ〜、いいね。この神社。「どこが、気に入ったのかな?」 拝殿の前の…。「拝殿の前の?」 賽銭箱の上。「さ、賽銭箱の上??」
 ワンカップが、並んでるでしょ。「そこかいな!」 いやいや、これ、大事。地域ですごく身近に思われているということだよ。こっち側も、ワンカップ飲みながらだと、ゆっくり、気兼ねなく、神様とお話しできるっていうもの。
 「それ、一人ひとり、話が長くなるよ。」 そんなことはないよ。椅子がなくって、立ったままだから。「立ち飲みと、同じにしてない?」 m(_ _)m。



久々に 食べてみたきや カップ麺

 カップヌードルミュージアム。
 う〜ん、お腹、空いてきたね。「もう、12時半だしね。」 いやいや、あれあれ。「あ〜、あの像ね。」
 インスタントラーメン、カップ麺開発者の安藤百福さんだね。右手には、カップラーメン。「いやいや、よく見て!」
 えっ…、ホントだ。持っているのは、チキンラーメンの袋だろうか。「もひとつ、足元を見て!」
 えっ…、台座になっているのが、カップラーメン! 「まったく、どこをどう見ているのか…。」 m(_ _)m。
 スーツ着て、腰に手を当てて立ってるけど、全然偉そうに見えないね。こんなの開発した、どうだ、偉いだろ、じゃなくて、見てみて、こんなの開発したよ、ってな感じ。カップ麺と同じ、庶民的に見えるね。



カップ麺 持つ人待つ人 笑顔にし

 カップヌードルミュージアム。
 交差点で、信号待ちしていると、向こうから来る人たち、みんな、カップヌードルの入った手提げ持って、ニコニコしているね。「ミュージアムを見学した人たち? その記念品、お土産?」 そのようだね。
 カップ麺は、お湯を入れて、待っている間も、人をニコニコさせるよね。「カップ麺は、何が好き?」
 う〜ん、赤いきつねと、緑のたぬきかな。「ナニイッテルノ。アレハ、マルチャン、トウヨウスイサンデショ! ココハ、ニッシンショクヒン!」 …、やっぱりカップ麺と言えば、どん兵衛かな!



難読の 地名にしばしの 阪大坂

 阪大坂。「難読地名?」 そう、地図見てたら、見つけたんだけど、読める?「う〜ん…、さかおおさか…、じゃないよね。よく見たら、さか、の、字が違うね。う〜ん、なんて読むの?」
 実は、何でもないんだけど、随分時間が、かかってしまったよ。大阪大学の入口の坂道。「あ〜、はんだいざか、ね。」



やり過ごせ 大名行列 駒休め

 十二神社  おっ? あれは、大名行列! 厄介だから、通り過ぎるまで、このお社で、休んでいこう…、なんて人、いたかな?「まぁ、そらぁ、いたんじゃない?」
 一般の庶民は、大名行列に出くわすと、脇に避けて、道を譲るだけで、良かったそうな。「そうなんだ。時代劇では、土下座してるシーン、よくあるけど?」
 土下座は、大名の乗った籠が、本陣を通る時のみだったようだね「そうなんだ。」 大体、庶民は、どちらかというとその様子を見たいし、大名の方は、見せるために華美な行列を組んでいるんだからね。「もっともだね。」でも…。「でも?」
 ここ、十二社神社は、別名、駒の森。大名行列で、馬を休めたことから、その名前が付いたとか。「じゃ〜、さっきの、大名行列が過ぎるまで、この森で休憩しようとしてた人は、どうなったの?」 さぁ〜。



防空壕 避難をしても 神頼み

 十二神社  今まで、防空壕って、見たことなかったけど…。「今日は、双子塚古墳に続いて、二箇所目だね。」
 実感として、全身の血が熱くなるような危機感が、湧いてくるね。その時、どうするかと、思うとね。家族がいたら、余計に…、だね。
 「つくづく、今の平和な世に、場所に、生まれてよかったなと思うよ。」 この平和を、維持しなきゃいけないね。



義経の 泉じゃなくて 弁慶の

 弁慶の泉
 「また、弁慶の…。これ、瀬川の宿にあった、弁慶の鏡水と、同じ? 弁慶さん、占い、好きだね。」
 いやいや、瀬川のは、平家追討途中のこと、こちらは、鎌倉殿から追討を受けて、西国へ落ち延びようとする時のこと。「なんと…。まったく状況が、逆なんだね。」
 占いなんて、している時間なんてないね。ここで、追っ手に襲われ、からくも撃退した際に、この泉の水で、喉の渇きを癒したそうな。
 「でも、なんで、義経の泉に、ならなかったんだろうね。一緒に戦っていただろうに。」



弁慶の 喉も田畑も 潤して

 弁慶の泉
 弁慶のイメージって? 「でかい! 巨大。力なんか、無尽蔵に、湧き出してくる…って、感じ?」
 そうだよね。この泉も、弁慶さんの喉を潤しただけじゃなくて、大阪国際空港を含む、近隣下流地域の田畑をも潤すような、大事な水源だったようだね。「そんなに、水量、すごかったの?」
 箕面川の伏流水が出てくる泉みたいだからね。「なるほどね。それを聞けば、義経の泉じゃなくて、やっぱり、弁慶の泉だね。」



生き様を 三文字で言うと 春団治

 受楽寺
 「春團治之碑って、あるけど? 春團治って、芸のためなら女房も泣かすの、春團治?」
 そう、初代と、二代目の碑らしい。女房も泣かすは、初代ね。
 ベースにあるのは、誰もが認め、誰もが影響をうけた、上方落語界のスーパースター。それに、酒、女、金が加わって、破天荒な生き様になる。
 そして、その生き様が、エピソードを生み、エピソードを膨らませ、実際にはなかったことも、彼ならやるだろうと、さらにエピソードを。
 そして、小説、舞台、ドラマ、映画、歌謡曲まで生み出すことになる。「すごいよね。」



頭の中 マットのテーマが エンドレス

 伊丹空港の北辺。
 「何? あれ? あの、非日常的なものは…?」 う〜ん、多分、伊丹空港の空港監視レーダーかな。
 上に付いてるやつは、精測進入レーダー。飛行機の位置情報を取得するためのものかな。
 下側に付いてる大きいやつは、二次監視レーダー。ここから質問電波を発信したら、飛行機から高度や識別情報、緊急事態の発生等の情報が送られてくる。
 「なるほど、なるほど、と、言いたいところだけど…。」 何? なに? 「もう、これ見た瞬間から、帰ってきたウルトラマンに出てくる地球防衛組織、マットのテーマ曲が、頭の中で鳴っていて、何も入ってこないよ。」 ワンダバタ、ワンダバタ、ね。う〜ん、伝染した。



吹く風に 浮いてゆくよに ゆっくりと

 伊丹空港。
 随分と、遠いけど、離陸、開始かな。「なんか、まるで重力がないように、す〜っと、浮き上がっていくね。」 そうだよね。実感として、とても、とても、不思議だね。
 …と、思っていると…。「やってきたね。」 やってきた。



風船を 放したように ちさくなり

 伊丹空港。
 「でかっ‼︎」 まったく、すごいね。「そして、あっという間に、小さく、雲より高くなって、消えてゆくね。」 ますます、不思議だね。ただ…。「ただ?」
 音が、これまた、すごいね。「全身全霊で、フルパワーを出して、飛び上がっている感じだね。」
 まぁ、これ、音がしなかったら、この世のものじゃない感じになるだろうね。「まったく。」



はしゃぐ子が 飽きて去りても まだ眺め

 伊丹空港。
 「あの〜…。」 何? なに?「なんで、ここに、いるんだっけ?」
 そらぁ、もう、飛行機が離陸していくところを、真下から見るため。かっこいい、写真を撮るために決まってるでしょ!
 「嘘つけ‼︎ 街道を歩いている途中でしょ‼︎」 えっ? ホント? 「おいっ!」
 …、危なかったね。ずっと、居続けてしまうところだったよ。西国街道は、伊丹空港のすぐ北に隣接している、ここ、エアフロントオアシス下河原の横っちょを通っている。
 ひょっとして、ここは、なかなか通り抜けることのできない、西国街道随一の難所かもしれないね。



航空路 目には見えねど 見えている

 伊丹空港。
 「見えない、見えるって、何、言ってるの?」 これ、これ。空港の誘導灯。
「なるほど、これがあると、航空路が見えるような気がするね。」
 まぁ、でも、川の流れも、橋が架かっている向きも、まったく無視していて、ある意味、すごいね。


2022.10.28.:
 牧落駅から、途中、池田の方へ寄り道して、阪急伊丹駅まで、てくてく。

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